イチョウ Ginkgo biloba イチョウ科イチョウ属
中国原産とされ千年ほど前、仏教とともに僧侶達により日本に渡ってきたといわれています。そのせいか古くから親しまれ、各地のお寺などで幹周10mを越すような巨樹を見ることができます。また天然記念物に指定されているものも数多くあります。
街路樹などにも使われポピュラーな樹木ですが、生きている化石ともいわれ、地球上にたった一族一種の貴重な植物でもあります。葉っぱの形から広葉樹のようにおもわれますが、種としては針葉樹に近いのだそうです。
■ いちょうあれこれイチョウは雌雄異株(しゆういしゅ)の木で、花弁を持たない不思議な花を咲かせます。花期は4月末〜5月ごろで、風媒花といい風により受粉します。オスの木から飛んだ花粉が時には1000mも離れたメバナを受粉させることもあるそうです。この花粉から、鞭毛(べんもう)をもって自由にうごける精虫ができ、胚珠の核と合体する(受精する)事が、1895年、世界で初めて、東京大学の平瀬作五郎先生の手で確かめられました。
雄 花
ちょっとわかりにくいかな?
緑のつぶつぶの固まりがそうです。 雌 花
落ちていたものを拾ってきました。
先っぽの丸い物がギンナンになるそうです。
果実が銀杏(ぎんなん)で9月の末ごろ黄色く色づきやがて落下して異臭を放ちます。銀杏は日本料理や中華料理の素材として利用されます。茶碗蒸しの具として使われたり、そのまま炒って食べたりもします。
だいぶ色付いて梅干し状態 銀杏(ぎんなん)
二面の物と三面の物があるのがわかりますか?
三面の物が雌樹になるという話もありますが
どうなんでしょうか?
銀杏の芽吹き
2002年6月頃撮影した物です
■ 名前の由来
いちょう、漢字だと銀杏または公孫樹とも書きます。いちょうという名前は中国名、「鴨脚(イーチャウ)」が転訛して和名になったということです。
■ 材質・用途
樹皮に近い部分(白太)は真っ白ですが、心材は黄色(薄いクリーム色)で木目はあまりはっきりとは出ません。材質は比較的やわらかいですが、緻密で加工しやすいです。将棋駒、将棋盤をはじめ、彫刻材として利用されるそうです。また日本料理でまな板として利用されています。中華料理では欠かせない小口切りにしたマナ板もイチョウだそうです。
● 銀杏の葉
銀杏の葉には「フラボノイド」という物質が含まれていて健康食品として注目されています。
その形も様々で、ラッパ状になったり伐採された枝からは大きな葉が出たりすることもあるそうです。
大きく切れ込みが入った葉が雌で、切れ込みが無いのが雄という話も聞きますが、これは間違いです。
大きな切れ込み 切れ込みがない 斑入りの葉
● 乳(気根)
イチョウの木は古木になると幹の脇から乳と呼ばれる気根を出したりします。
垂れ下がった気根に触れたり、煎じて飲むと母乳が良く出るという言い伝えがあり、各地で「乳銀杏」と呼ばれ信仰されてきたイチョウの樹が見られる。また伝承も数多く残されている様です。
● オハツキイチョウ(お葉付き銀杏)
葉っぱの上に実をつけるオハツキイチョウ。大変珍しいものだそうで、天然記念物に指定されているものが多い。もちろんすべての実がオハツキになるわけではなく何割かです。下の画像のように二つ、つけるものや、時には三つ、つくときもあるそうです。また普通 のギンナンと比べると小さな実がなります。
私が調べた限りでは、全国で 53ヶ所(+2?) 55樹 (+2?)程(そのうち雄が2樹)、確認されているようです。
詳しくは下記の御葉付き銀杏一覧を見て下さい。
● ラッパイチョウ(喇叭銀杏)
丸く漏斗状になった葉っぱがつけるラッパイチョウ。現在確認されている物はあまり多くありません。なかにはオハツキと同時になるオハツキラッパイチョウもあります。
画像は「日本の巨樹・巨木」の管理人高橋さんが発見した「熊野神社のラッパイチョウ(東京都)」のものです。撮影も高橋さんです。
● フイリイチョウ(斑入り銀杏)
イチョウの葉は緑色ですが白く斑が入った葉っぱを神社で見つけました。斑入りイチョウは茨城県鉾田町の「無量寿寺の斑入りイチョウ(町天)」が知られていますが、検索してみると他に出てきませんでした。まだあまり知られていないのかも知れません。「無量寿寺の斑入りイチョウ」と私が見たイチョウは縦筋の斑入りですが葉っぱの周囲が斑入りになる物もあるそうです。